6/12/2013

太陽 アンドレ・スピイル

木の葉の背後(うしろ)に太陽
私のこころは透明だ。
木の葉の背後(うしろ)に太陽・・・・・・
風が吹く、風が・・・・・・

生温い木の葉の中で冷たい風が温み
私の花を愛撫する、
汗ばんだ私の前額(ひたい)を愛撫する、

汗ばんだ私の手を愛撫する、
私の瞳と私の目とを愛撫する、

噴水のしぶきの中に
噴水の光の中に
太陽は入日する・・・・・・
私の頬には涙が流れる
太陽で一ぱいな涙が。


-Santiago de Compostela, Spain.
 
堀口大學訳の「月下の一群」新装版を図書館で偶然見つけた。
訳詩集にはまったのは高校生のときだ。
異なる言語で書かれた同一の心象風景、
訳詩故の多少の不恰好さと共に古風な物言いで紡がれた
明け透けなまでのロマンチズムを、私はとても美しいと思う。
 
是非とも欲しいけれど文庫で1200円は高いなぁ、と思いながら、
気に入った詩をその場で数篇、書きつけた。そのうちの一篇。 

0 件のコメント:

コメントを投稿